“スクリーミング・イーグル” “ダラ・ヴァレ” などのパーフェクト・ワインを数多くリリースしてきたハイジ・バレット女史。その彼女のワインスタイルの礎となったのがこのビューラー。彼女の5年間にも及ぶビューラーでの醸造経験が、あの偉大なるワイン達を造り上げたと言っても過言ではありません!このビューラーは、彼女の哲学を受け継ぐ“元祖”ハイジ・バレット・スタイルのナパ・ワインなのです!
◆ビューラー(BUEHLER)
ビューラーの歴史は、1971年、観光客が容易に辿り着くことが出来ないようなナパの山腹に土地を買ったことから始まります。始めはブドウ栽培家として生計を立てていたジョン・ビューラーは、自分の「名前でワインを造る」という夢の為に、醸造設備を併設します。醸造設備設立間もなく、【栽培家】
としてではなく 【ワイナリー】 としての評価が高まり始めたビューラー・ヴィンヤーズは、1978年に700ケース程の生産量が見る見るうちに増えていきます。
そして、1982年、かのハイジ・バレット女史をワインメーカーとして雇入れ、現在のビューラーのスタイルが確立されました。彼女の5年間のビューラー・ヴィンヤーズでの経験が、その後、“スクリーミング・イーグル”や“ダラ・ヴァレ”などの【傑作】を造り上げたといっても過言ではありません。現在は、そのハイジ・バレット女史のスタイル・哲学を継承したままデヴィッド・クローニンをワインメーカーとして迎え、ビューラー・ヴィンヤーズのさらなる進化を目指しワイン造りが行われています。
現在では、ほぼ毎年のように【ワイン・スペクテイター誌】が選ぶTOP100ワインに選出され、その表紙を飾り特集も組まれるなど、デヴィットの名声、そして、ワイナリーとしての【ビューラー・ヴィンヤーズ】が、ナパの素晴らしいワインであることが容易に理解できます。
◆ビューラーのワインスタイル
カベルネ・ソーヴィニヨンのようなとっつきにくい面を持つブドウ品種でさえ、デヴィッドの手にかかればこんなにも外交的で味わいのはっきりしたワインになるのかと感心するばかり。ジンファンデルは、全く引っかかりのない素晴らしくシルキーなタンニンと果実味のボリューム感があります。過去にワイン・スペクテイターでTOP100ワインに選出された実力もあり、ビューラーを語る上では外せない一本。
シャルドネは綺麗な酸を残した、輪郭のはっきりしたスタイル。ロシアン・リヴァー・ヴァレーの2つのヴィンヤードのシャルドネを使用しており、それぞれの畑の個性を絶妙に調和させた素晴らしくエレガントなワイン。カリフォルニア・ワイン・ラバーならずとも、きっと気に入るシャルドネです。
そして、なんといってもこのビューラーで最上ワインといえば[パパス・ノール]。このワインはビューラーのもつ畑の一番古いカベルネ(50年以上の樹齢)だけで造られており、しかも、非常に乾燥した場所、いわゆるマイクロ・クライメット(微気候)で、エステートの中でも特別な畑のカベルネ・ソーヴィニヨン100%で造られる逸品!
私がこの[パパス・ノール]に感じた第一印象は『このワインだけ目指すところが違う・・・』というもの。『これはビューラーであってビューラーではない!』こんな言い方が陳腐なことは解っていますが、フランス・ボルドー・メドック格付け第一級ワインを意識して造り上げたに違いない・・・そう感じさせるほどのスケール感があります。ハイジ・バレット女史のスタイルを継承、そして、進化するビューラー・ヴィンヤーズ、とくとご堪能下さい!!